【FGO】【史実】夜霧の殺人鬼：ジャック・ザ・リッパー　逸話紹介

真名：ジャック・ザ・リッパー

身長：134cm / 体重：33kg

出典：史実

地域：ロンドン

属性：混沌・悪 / 隠し属性：地

性別：女性

クラス：アサシン

1888年のロンドンに現れた劇場型シリアルキラーについての紹介となります。
非常にショッキングな表現が含まれていますので、苦手な方はブラウザバックを
画像などのグロ表現はありませんので、文章のみなら大丈夫という方は読み進めても大丈夫かと。

1.正体不明のシリアルキラー

イギリスの未解決殺人事件においてもっとも有名な殺人鬼はこの「ジャック・ザ・リッパー」でしょう。

1888年8月31日から11月9日の約2ヶ月間にロンドンのイーストエンド・オブ・ロンドン、ホワイトチャペルで少なくとも５人を解体しました。
被害者はすべて女性で、若くない売春婦（法律を無視した風俗嬢）が多かったようです。

しかし１００年以上たった今でもその正体はいろいろな憶測が飛び交うばかりで決定的な証拠はありません。

しかも重要な証拠の多くは第二次世界大戦中にロンドンを襲ったロンドン大空襲（ザ・ブリッツ）によって焼き払われてしまったというおまけつき
ではその詳細をお話していきましょう。

2.被害者

1888年8月31日（金）メアリー・アン・ニコルズ（42歳）
1888年9月 8日（土）アーニー・チャップマン（47歳）子宮と膀胱を持ち去られる。
1888年9月30日（日）エリザベス・ストライド（44歳）唯一犯人が目撃された。
1888年9月30日（日）キャサリン・エドウッズ（43歳）左の腎臓と子宮を持ち去られる。
1888年11月9日（金）メアリー・ジェイン・ケリー（25歳）皮膚や内臓を含めほぼ完全にバラバラ。

夜の人目につかない場所で行われていたと言います。
アーニー・チャップマンさんのみが夜明け後に殺害されていたそうです。

現在「ジャック」による確実な犯行として挙がっているのがこの5件というだけで
実際には模倣犯や愉快犯によって多くの売春婦達が殺害されました。
その数20～100と言われていますが、
この後解説する「4.なぜ捕まらなかったのか～時代背景～」を見れば判別が不可能なのも頷けます。

3.殺害時の特徴と美学：劇場型犯罪の元祖

タイトルに「美学」と入っていますが、「人殺し」を賛美する意味合いではなく
あくまでも「ジャック・ザ・リッパー」という人間の持つ「歪み」に対する表現であるとご理解ください。

・殺害の方法

まず遺体はバラバラに解体されています。
その多くが夜の人目につかないところで行われ、明け方まで発見されることは少ないです。

・手紙

1888年9月27日に切り裂きジャックを自称する手紙が新聞社に届きます。

切り裂きジャックの名前は、本人が自分でつけた名前なんです。
内容は、
連続殺人犯は自分だということ
警察には捕まらないということ
殺害はまだ続くということが、血眼になって犯人を捜す警察たちをあざ笑う文章で書かれています。

全部で3通届いた手紙の最後の3通目には、
アルコールで保存された肝臓が同封されていたといいます。

出典：Wikipedia
切り裂きジャックによる煽りメッセージ

・壁のメッセージ

1888年9月30日、地域の担当巡査が血の付いた布を発見します。
その布はキャサリン・エドウッズさんの物であるとわかります。

その布の近くの壁には、

「The Jews are the men That Will not be Blamed for nothing」

と書かれていて、和訳文は

「ユダヤ人は理由もなく差別されるべきではない」

となります。
この後このメッセージは無能な警視さんによって消されてしまいます。
重要な証拠だったはずなのに、

「反ユダヤ感情をあおるから」

というもっともらしい言い訳のもとに消します。

いや怪しすぎる。

4.なぜ捕まらなかったのか～時代背景～

まず1880年後半のイギリス事情からお話ししましょう。

アイルランドからの移民や他国から亡命してきたユダヤ人で人口が爆発していました。
結果、失業者が増加して貧困や犯罪などが激増。
女性は体を売り、男性は呼び込みか犯罪者。

それだけ犯罪が横行している場所で、特定の人物の犯行をどうこうというのは難しい話です。
いくら劇場型とはいえ、容疑者リストが多すぎるのです。

5.なぜ捕まらなかったのか～犯行期間～

快楽殺人鬼の多くは、その殺人衝動を抑えられずに殺人を続けてしまいます。
それによって捕まる可能性が大幅に上昇し、最終的には逮捕されます。

切り裂きジャックは2ヶ月というごくごく短い期間で殺人を終了しており
そもそも証拠が少ないのです。

6.プロファイルから見る犯人像

・犯行当時の年齢は二十代後半から三十代前半と言われています。

・髭が濃いと言われていましたが、当時はみんな生やしていました。

・ロンドンのホワイトチャペル（主な犯行現場）に土地勘があり、おそらく住んでいるか過去に住んでいた。

・被害者の遺体は「解体」されています。メスのような鋭利な刃物でしっかりと、それこそ外科手術のように解体されていたそうです。
おそらく医者か、解剖学に心得のある人。もしくは肉屋なんていう説も

・週末に犯行が集中していることから、平日は普通に仕事。

・娼婦を殺すほど嫌っている。

残念な話、これくらいのことしかわかりませんよね。
次行きましょう。

7.なぜこんなにも有名か？

こんな世界ですから、殺人などは全く珍しくなく確実に当時のロンドン（ホワイトチャペル区）では「日常」でした。
ですからたった5人の殺害など、もっとヤバイ人たちからすれば何でもなかったでしょう。
それが日常の世界ではふつう有名にはなりません。

たまたま殺人で
たまたま連続で
たまたま残虐だったから

たまたま捕まらず
たまたま劇場型で
たまたま時代だったから

それによって後世でフィクションやらなんやらの題材になったがためにここまで有名なのでしょう。

有名な未解決事件を解決してみたい（自称）探偵の方も大勢います。

8.容疑者リスト

モンタギュー・ジョン・ドルイト
風貌が似ているという目撃証言
最後の事件後、川に飛び込み自殺
第1・2の事件時、所在不明。

出典：Wikipedia

マイケル・オストログ
ロシア人。
海軍の駐在医（外科医）という経歴を持つ。
殺人や複数の前科がある。
事件時に所在不明。

出典：Wikipedia

トマス・ニール・クリーム
アメリカ人。医師。
危険な薬物を用いて売春婦を毒殺、「ランベスの毒殺魔」と呼ばれていた。
1892年に死刑執行。
その際に絞首台で、"I am Jack the…"まで言った時に床板が外されたとされる。

出典：Wikipedia

アーロン・コスミンスキー
ユダヤ系の理髪師。売春婦を憎んでいた。
目撃者の証言により当局に逮捕されたが、重い精神の錯乱が見られた。
1919年、強制入院先の精神病院で死亡。
2014年9月、遺留品のショールから抽出されたDNAがコスミンスキーのものと一致した。
しかしそのDNAは珍しいものではなく、ヨーロッパ人の多くが持っているものだと判明

ジェイコブ・リーヴィー
ユダヤ人。精肉業者。
リーヴィーは梅毒に罹患しており
リーヴィーの妻は
「夫はノイローゼにかかっていたようで、一晩中街を徘徊していることがあった」と証言している。
ただし、5件目の殺人が発生した頃リーヴィーはすでに梅毒の末期症状で
犯行はおろか日常生活すら困難な状況下にあった。
専門家の間では、
「リーヴィーが犯人であった場合、解剖の仕方が異なる点や犯行現場が屋内であったことから、5件目の犯行は模倣犯によるもの」
という説が指摘されている。

ウォルター・シッカート
ドイツ人。画家。
パトリシア・コーンウェル（推理小説作家）は、99％の確度を持つミトコンドリアDNAの一致などからシッカートを犯人とした。
しかし、ミトコンドリアだけでは本人と断定できないので、絞り込みで終了。

出典：Wikipedia

9.犯人は女性？

ウィリアム・スチュアートさんという広告の絵を描いている人は
1936年に、ジャックの正体は女性ではないかという新説を出しています。

当時は生きるため、お金のために女性は体を売っていました。
まあそのうち妊娠しちゃうんですね。
自分の生活で限界なのに、赤ん坊なんか育てられるはずもなく中絶します。

産婆は中絶手術の手伝いをするわけです。
当たり前のように命を捨てに来る娼婦に怒り、このような犯罪に臨んだのではないか？
そもそも、そんな人なら当たり前のように部屋に入れるのではないか？
検診とか適当なこと言えば怪しまれずに部屋に入れそうなものである。

確かにこれならば頷けますね。
すると、当時の警察官のプロファイルは大外れになってしまいますが……

10.ジャック・ザ・リッパーは陰謀？

陰謀論者の間では
「犯人がイギリス王室の関係者なので捕まらない」
という説が飛び交っています。

ヴィクトリア女王の孫にあたる
「クラレンス公爵」
が犯人ではないかと言われています。

彼はお忍びで街に繰り出しては女の人を買っていたそうなんです。
彼はインフルエンザによる肺炎で亡くなったと報じられていますが
実際は性病で亡くなったのではないかと言われています。

当時人気不調だったイギリス王室からこんな殺人犯が出れば
それこそ国家転覆の可能性もあります。

壁のメッセージを消したのも、国の圧力からではないかとされています。

11.まとめ

fate/Apocryphaのジャックについて書きました。
Apocryphaの世界のジャックは

アサシンとして召喚された彼女は数万以上の見捨てられた子供たち
ホワイトチャペルで堕胎され生まれることすら拒まれた胎児達の怨念が集合して生まれた怨霊
この怨霊が母を求め起こした連続殺人事件の犯人として冠された名前が
“ジャック・ザ・リッパー”
である。

と設定されています。

本当におびただしい数の妊娠中絶者がいたそうなので
本当にこんなことがあっても不思議じゃないです。

今のロンドンが平和できれいな街並みなのは多くの犠牲の上に成り立っているのだと我々はよく知っています。
今から約80年前、今私たちが踏みしめるこの大地は死体と瓦礫の山だったのだから